SUPERサイエンス プラスチック知られざる世界
私たちの身の回りを見渡すと文房具や衣服などの日常用品はもちろん、車や電化製品、スマホなどさまざまなプラスチックに囲まれて生活しています。昭和の初め頃まで家は木材と紙と瓦ででき、着る物は植物繊維や動物繊維で、多くの容器は木材や金属、陶磁器製でした。現在では、そのほとんどがプラスチック製に置き換わっています。飛行機までがプラスチック製です。
こんな万能素材であるプラスチックの分子構造や化学的性質から、人工血管や超伝導体など医療や工業分野での活用、高分子の応用など最先端技術で社会を支えるプラスチックの驚異の機能性に迫ります。
目次
●Chapter.1 プラスチックと高分子
●Chapter.2 高分子の分子構造
●Chapter.3 高分子の作り方
●Chapter.4 高分子の化学的性質
●Chapter.5 高分子の物理的性質
●Chapter.6 材料としての高分子
●Chapter.7 機能性高分子
●Chapter.8 高分子の応用
著者紹介
●齋藤 勝裕(さいとう・かつひろ)
名古屋工業大学名誉教授、愛知学院大学客員教授。大学に入学以来50年、化学一筋できた超まじめ人間。専門は有機化学から物理化学にわたり、研究テーマは「有機不安定中間体」、「環状付加反応」、「有機光化学」、「有機金属化合物」、「有機電気化学」、「超分子化学」、「有機超伝導体」、「有機半導体」、「有機EL」、「有機色素増感太陽電池」と、気は多い。執筆暦はここ十数年と日は浅いが、出版点数は150冊以上と月刊誌状態である。量子化学から生命化学まで、化学の全領域にわたる。更には金属や毒物の解説、呆れることには化学物質のプロレス中継?まで行っている。あまつさえ化学推理小説にまで広がるなど、犯罪的?と言って良いほど気が多い。その上、電波メディアで化学物質の解説を行うなど頼まれると断れない性格である。著書に、「SUPERサイエンス 分子集合体の科学」「SUPERサイエンス 分子マシン驚異の世界」「SUPERサイエンス 火災と消防の科学」「SUPERサイエンス 戦争と平和のテクノロジー」「SUPERサイエンス 「毒」と「薬」の不思議な関係」「SUPERサイエンス 身近に潜む危ない化学反応」「SUPERサイエンス 爆発の仕組みを化学する」「SUPERサイエンス 脳を惑わす薬物とくすり」「サイエンスミステリー 亜澄錬太郎の事件簿1 創られたデータ」「サイエンスミステリー 亜澄錬太郎の事件簿2 殺意の卒業旅行」「サイエンスミステリー 亜澄錬太郎の事件簿3 忘れ得ぬ想い」(C&R研究所)がある。
担当編集者から
私たちは、たくさんのプラスチックに囲まれて生活していることをあらためて感じます。ところが、当たり前にあるプラスチックに慣れてしまい意外とプラスチックの性質についてはよく知りません。本書は、社会のあらゆるところで活躍するプラスチックの知っていそうで実はよく知らない驚くべき機能性を図解しています。(西方 洋一)