人事のトラブル 防ぎ方・対応の仕方
近年、労働環境の激変により、労使間のトラブルが急増しています。労使トラブルは社員の小さな疑問や不満、不安から発生します。それも対応した人事担当者との些細な行き違いから、問題が大きくなるケースも多くなっています。
本書は、単に法律的な立場からではなく、現場の人事担当者としての「社員への応対」に主軸を置き、「大きな問題にならないように労使トラブルを押さえる」ための策を「伝説の人事部長」の異名をとる谷所健一郎が、その豊富な経験を元に語ります。
目次
●序 章 人事の仕事の本質とは?人事の仕事10か条
●第1章 服務に関する対応策
●第2章 賃金に関する対応策
●第3章 労働時間・勤怠に関する対応策
●第4章 職務能力・職務状況に関する対応策
●第5章 異動・配属に関する対応策
●第6章 採用に関する対応策
●第7章 退職に関する対応策
●第8章 人事考課、研修などに関する対応策
著者紹介
●谷所 健一郎(やどころ けんいちろう)
有限会社キャリアドメイン 代表取締役 https://www.careerdomain.net/
日本キャリア開発協会会員
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)
東京大学教育学部付属高校在学中にニューヨーク州立高校へ留学。武蔵大学経済学部卒業後、株式会社ヤナセに入社。その後、株式会社ソシエワールド、大忠食品株式会社で、新卒・中途採用業務に携わる。1万人以上の面接を行い人材開発プログラムや業績評価制度を構築する。株式会社綱八で人事部長を務めたのち独立。1万人以上の面接と人事に携わってきた現場の経験から、人事コンサルティング、執筆、講演、就職・転職支援を行う。ヤドケン転職塾、キャリアドメインマリッジを経営。
担当編集者から
100年に大不況といわれる昨今、経営者と労働者の問題がクローズアップされています。労働者が「自衛」の名の下に労働法の知識を身に付け、旧態依然の経営者に対して権利を声高に主張する。このこと自体は決して間違ったことではないのですが、嫌でもこの経営者と従業員の摩擦の矢面に立たざるを得ないのが人事の担当者です。そして、人事担当者の何気ない言葉が不満を持つ従業員を刺激して、小さな不満を大きな労働トラブルに発展させてしまうかもしれないのです。
「伝説の人事部長」の異名をとる谷所健一郎氏は、「一人の人間として」従業員の悩みに真摯に応えていくことが人事トラブルを防ぐ最大のポイントと説いています。「本当に会社をよくするために果たさなければならない人事の役割」とは、そんなことを考えさせてくれる1冊です。(三浦 聡)