目にやさしい大活字 SUPERサイエンス iPS細胞が再生医療の扉を開く
【本書は、B5判の文字が大きくて読みやすい、目にやさしい大活字版です。】
「iPS細胞」は、体のどんな臓器や組織にもなることができる細胞です。iPS細胞は皮膚の細胞などから作り出すことができるので、本人のiPS細胞を培養して臓器や部位を作ることができれば、拒絶反応のない移植手術も夢ではありません。
本書では、iPS細胞が作られるまでの研究の歴史や、iPS細胞が越えなければならない今後の課題などを、図解入りで丁寧に解説しています。これからの再生医療のカギとなるであろう、iPS細胞の秘密に迫ります。
目次
●Chapter.1 「再生」という夢を現実にするiPS細胞
●Chapter.2 iPS細胞を人類が手に入れるまで
●Chapter.3 細胞はどのように身体をつくるのか
●Chapter.4 iPS細胞で医療はどう変わるのか
●Chapter.5 iPS細胞が超えなければならない壁
●Chapter.6 未来でのiPS細胞の可能性
著者紹介
●升井 伸治(ますい しんじ)
1973年大阪府生まれ。1996年北海道大学理学部卒業。2001年東京大学大学院理学系研究科修了および学位取得。独立法人理化学研究所多能性幹細胞研究チーム研究員、国立国際医療センター研究所細胞組織再生医学研究部形質転換ベクター開発研究室室長を経て、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)初期化機構研究部門主任研究者。研究テーマを自家細胞移植による再生医療実現を目指した基礎研究とし、胚性幹細胞および組織幹細胞への新規遺伝子導入・発現系の開発や幹細胞の分化運命を制御する転写因子Sox2の機能解析を行っている。趣味はジョギングと映画鑑賞。好きな映画は「タイタニック」。
担当編集者から
イモリは尻尾どころか手足や目を失っても、数週間で自然に再生されるようです。人間は他人から提供された臓器を移植すれば再生できなくもありませんが、免疫細胞が自分の細胞でできていない臓器を攻撃する、いわゆる拒絶反応がつきものでした。iPS細胞が実用化されれば、自分の細胞で自分の臓器を再生できるという、夢のような時代がやってくるかもしれません。歯や髪を生えさせたり、新しい肌細胞に取り替えたりすれば、究極の「若返り」さえもできてしまうかもしれませんよ!?(吉成 明久)